7's Essay

独り言だけど誰かに読まれたい散文と短歌。

図書館のカードをつくる また本を愛おしむ地へ帰れるだろうか

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昨日、次女が幼稚園の図書館指導で借りてきた本を返してきた。幼稚園から図書館までは歩いて15分ぐらいだろうか。そこで司書さんに絵本を読んでもらい、好きな本を借りてくるということを月に一回ぐらい行っている。交通安全指導も兼ねている。

わたしは保育園児だったので昔の幼稚園を知らないけれど、こんな小さな頃から図書館へ行き、本を借りることができるという知識や社会経験を積めるなんてすごいことだと思う。

ただし、借りるのは幼稚園の保育の時間だが、返してくるのは保護者側の指導となる。富山市は通常2週間借りれるが、今回3週間も借りていた。どこかで返しに行かなければと思いながらずるずると引き伸ばしていた。

幼稚園のPTAの会計の仕事で近場の銀行に用があったのでようやく返しに行ったのだ(会計の方も対応が遅れていて今日行かないとさすがにヤバい!という状況でようやく行った)。さらにそのついでで、自分の図書館のカードをつくりたい旨申し出た(子どもたちの図書館のカードは幼稚園入園時に園の方でつくっていただいた)。

 

図書館指導は長女が幼稚園入園時から始まっていた(はず)。間に新型コロナウイルス感染拡大の影響で休止になったこともあったかもしれないが、とにかく3年ぐらい前から子どもたちの本の貸し借りで足を運んでいたのにも関わらず、ようやく新たなる一歩を踏み出した。

 

子どもたちのカードで十分というのはあったけれど、どこかで自分のカードをつくりたい気持ちもあって、でもどうにも踏ん切りがつかなかくて、子どもたちが小学校と幼稚園に行っている時間、一人で訪れて、ようやくつくりたい気持ちになったのか、つくりたかったけれどタイミングが掴めなかったのか、自分でもよくわからない。わからないけれど、ようやく図書館に帰ってきたという気持ちがあった。ずっとずっと長い長い遠回りをしてようやく、と。

 

わたしの中でいちばん図書館が身近だったのは十八〜二十歳ぐらいまでの間。運転免許を取得して、自分で運転して車で図書館まで行っていた。その頃はシャトレーゼでバイトをするだけの生活をしていたので時間に余裕があった。図書館で本を探してふらふらするのがとても楽しかった。たくさん本があって、そのどれでも読むことができる贅沢に、すっかり図書館の虜になっていた。

 

あの頃に戻りたいとは思わないけれど、図書館が好きだった。楽しい思い出として残っている。今、ようやくもう一度図書館へ通う生活をしたいと思い、そのための一歩として貸し出しカードをつくった、ということだと思う。

とりあえず1冊を2週間借りるところから続けていきたい。

 

あの頃のわたしは本も図書館も大好きだったけれど、逆にいうとそれしかなかった。それ以外のいろんなことを切り捨てていた。面倒な拗れ方をしていたと今なら思う。当時のわたしは自分は消えるべきで、だからもうどこにも所属してはいけないし、何かを楽しむことも喜ぶことも出来るだけ避けなくてはいけないと本気で思っていたように思うし、楽しんだらその分罪悪感を覚えていて、なんか、本当に面倒くさかったなと、今書いていて思う。でも、面倒くさかったなと思う根底にあるのは、そうであった自分とようやく目を合わせられるようになったからな気がする。

 

日没が世界を覆う 誰にも言えないどこにも行けない記憶を思う

 

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